『東京人』2012年8月号 特集「東京地形散歩」
NHKの人気番組「ブラタモリ」は、古地図とともに高低差に注目した街歩きが新鮮で、人気を集めたようだが、実は地形と坂道に注目するのは正統派街歩きの手法であり、特に新しいわけではない。そこで、まえまえから地形に注目した東京歩きを実践してきた人たちが結集して原稿を寄せたのが、この特集。中心人物は「東京スリバチ学会」会長の皆川典久さん。
意外な人物が、東京の地形に注目していたことも知った。たとえば「東京大学物語」の江川達也。地形をなぞったグラフィックを作ることは「隠れてしまっているものを脱がせて自然な姿を見る」ということで、そこにエロスを感じるという。そこまで感じるか(笑)。小野田滋の「山手線の地形学」は、山手線の複雑な行程とカーブを解き明かしてあますところがない。山手線一周旅行がしたくなる。
最近の『東京人』でも、きわだって秀逸な企画である。
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