ザルツブルク音楽祭2012 ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
八月三〇日は、ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサート。指揮はリッカルド・シャイー。実物は初めて見たが、いかにも陽気なイタリア男といった雰囲気である。曲は、マーラーの交響曲第六番。
一楽章は冒頭の弦楽合奏からして、大音量で緊張感があり、期待が高まる。このオーケストラは謹厳実直な総合力が持ち味だが、管楽器のソロは決してうまくない。ここまでベルリン、ウィーン、クリーブランドと聞いてくると、明らかに見劣りがする。だから管楽器のソロの場面になると、残念ながら演奏の魅力が少々失せてしまう。しかしシャイーは躍動感あふれる指揮ぶりで、この謹厳実直オーケストラを、完全燃焼とまでは行かないにしてもかなりの程度に燃え上がらせた。
時々あることだが、中間楽章を入れ替えて演奏していて、一楽章の次が二楽章のアンダンテ。ここでは弦楽の厚みと表情が素晴らしかった。スケルツォはちょっと散漫だったが、最終楽章はパーカッションの好演もあって、素晴らしい盛り上がり。終わったあとの聴衆のブラボーは、ベルリン・フィルやウィーン・フィル以上だった。