橋本健二の読書&音楽日記

日々の読書と音楽鑑賞の記録です。

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

海野弘『東京風景史の人々』

著者は、近代都市文化史の第一人者といっていいだろう。原著は1988年で、長い間絶版だったが、少し前に文庫化された。税込み1100円という値段だが、その価値はある。 大まかにいえば、前半は個々の画家についての評論で、後半は多彩なテーマを取り上げたエッ…

田中哲男編著『焦土からの出発』

これも『TOKYO異形』と同じく、東京新聞の好企画。単に、戦争直後の記録写真を集めたというものではなく、ドラマがある。新聞社所蔵のもののほか、米空軍の元写真偵察部員が庶民を撮影し、のちに中部大学に託した写真、市民が所蔵していた写真などが多数収め…

森まゆみ『東京ひがし案内』

東京の山の手と下町の境界に位置する谷中・根津・千駄木を拠点とした地域雑誌『谷根千』を手がけ、エッセイストとして活躍する森まゆみさんの新著。文庫オリジナルの企画である。「谷根千」と、その周辺の水道橋・お茶の水・湯島・本郷・上野・白山・春日な…