橋本健二の読書&音楽日記

日々の読書と音楽鑑賞の記録です。

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『東京人』2012年8月号 特集「東京地形散歩」

NHKの人気番組「ブラタモリ」は、古地図とともに高低差に注目した街歩きが新鮮で、人気を集めたようだが、実は地形と坂道に注目するのは正統派街歩きの手法であり、特に新しいわけではない。そこで、まえまえから地形に注目した東京歩きを実践してきた人…

小林信彦『黒澤明という時代』

今年の三月に文春文庫から出たが、原著は二〇〇九年。黒澤明の全作品を同時代に観た著者が、自分史と戦後史を重ね合わせながら、これら全作品を論じていく。ちなみに最初の作品である「姿三四郎」を観たのは、一〇歳の時だという。著者は笠原和夫を引きなが…

『銀座と戦争』

平和博物館を創る会という団体が編集した写真集。一九三七年から一九四九年に撮影された銀座および周辺の写真が、三六四枚収録されている。冒頭に出てくるのは、南京制圧の戦勝記念パレード。市民は、屈託のない喜びようである。戦時色が強まり、服部時計店…

『私だけの東京散歩 山の手・郊外篇』

こちらは、続編。登場するのは、安部譲二、高橋洋子、渡辺えり子、戸川純、小中陽太郎、如月小春、嵐山光三郎など。葉山や熱海、鎌倉などの郊外もしくは別荘地にはあまり興味がないので、その分、読み飛ばす部分が多かったが、いい企画であることは間違いな…

『私だけの東京散歩 下町・都心篇』

一九九五年刊。もとは『週刊住宅情報』の連載とのこと。景気のいい時代には、こんな企画が成り立ったのだ。自分の住んでいる土地、あるいは思い出の地、憧れの地などを散歩するのは、春風亭小朝、高見恭子、荒俣宏、岸本加世子、村松友視、いとうせいこう、…