橋本健二の読書&音楽日記

日々の読書と音楽鑑賞の記録です。

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

洋泉社ムック編集部『アキバ通り魔事件をどう読むか!?』

8月28日発行だから、事件から3ヶ月経たないうちに刊行されたことになる。まあまあのスピードといっていいだろう。短いもので3ページ、長いものでも10ページほどの小文を25編ほど収めていて、執筆者は、赤木智弘、雨宮処凛、吉田司、小浜逸郎、三浦展、東浩紀…

布施哲也『官製ワーキングプア』

公務員といえば、「身分が安定していて給料が高い」と脊髄反射的に考える人は多い。これは、事実に反する。公務員の給与は、民間企業の平均値をもとに人事院勧告で決められているのだから、高いはずがない。 高い部分があるとしたら、それは運転手や作業員な…

なぎら健壱『酒にまじわれば』

『朝日新聞』の購読を止めた。小泉改革礼賛、規制緩和推進の論調が目だった頃から、止めようと思ってはいたのだが、仕事に必要な情報があるのは事実なので、そのままにしていた。しかし今年、3ヶ月間の渡欧で止めたのを機に、そのままにすることにした。そう…

スティグリッツ『世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す』

ポール・クルーグマンがノーベル経済学賞を受賞した。私はもともと、ノーベル賞などというものは信用していない。受賞対象が、ノーベルとの遺言に基づいて「発見」に限定されているため、科学研究に歪みをもたらしたという批判がある。受賞者の誤った決定も…

東海林智『貧困の現場』

著者は毎日新聞社会部の記者だが、これは連載記事などをまとめたものではなく、書き下ろし。ちなみに著者の名前は「しょうじ」ではなく「とうかいりん」だとのこと。 この著者、なかなか熱血漢で、情にもろい。だから、生活保護申請の窓口で、役所の係員が申…