橋本健二の読書&音楽日記

日々の読書と音楽鑑賞の記録です。

2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

水木しげる(原作・柳田國男)『水木しげるの遠野物語』

『遠野物語』は、民俗学の確立者としての柳田國男の名声、そして『共同幻想論』における吉本隆明の晦渋な読解の影響で、気軽に読むことが許されないようなイメージがないではない。ところが水木しげるは、これを完全に消化して、独自の世界にまとめ上げた。…

東浩紀・北田暁大編『思想地図vol.5 社会の批評』

人気のシリーズ第5弾で、今回は社会学者が中心。私は「東京の政治学/社会学」と題して、原武史さん、北田暁大さんと対談しています。団地の政治的意味、東京内部の格差の動向などについて論じました。普通の選書2冊分のボリュームで、1400円。お買い得です…

朝日新聞「ゼロ年代の50冊」

なぜか、拙著『「格差」の戦後史』が選ばれました。田中秀臣さん、三浦展さんなど、ネット界で疑問の声が上がるのも当然です。好意的に解釈すれば、格差関係の本が何冊か候補に挙がったものの、「代表作ではない」「結論の一部がすでに否定されている」「受…