橋本健二の読書&音楽日記

日々の読書と音楽鑑賞の記録です。

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

紀田順一郎『昭和シネマ館』

著者は博識で知られ、文学・風俗・歴史など広い分野で活躍し、推理小説も書くという、現代の「超人」の一人だが、今度は映画の本である。 自らが少年時代からリアルタイムで見た映画を中心に、戦後映画文化史を語っていく。とりあげられる映画は洋画が多いが…

高田里惠子『学歴・階級・軍隊』

丸山真男が東京帝国大学助教授だった1944年、徴兵されて二等兵になり、上等兵からいじめを受けたという話は有名だ。赤木智弘が「丸山真男をひっぱたきたい」というエッセイで紹介し、戦争になれば自分も丸山真男をひっぱたけるような社会になるだろうという…

山縣基与志編『歌が聞こえてくる 東京ガード下酒場』

居酒屋本にも、トレンドがある。地酒ブームが始まったころは、地酒をいろいろ揃えたのがいい居酒屋だとされ、銘酒居酒屋の紹介が多かった。太田和彦氏が登場してからは、居心地の良さや伝統が重んじられるようになった。景気がよかった時期には、懐石風の良…