橋本健二の読書&音楽日記

日々の読書と音楽鑑賞の記録です。

アシュケナージ「ショスタコーヴィチ ピアノ曲・室外楽曲集」

アシュケナージショスタコ?」といぶかしく思う人もあろう。私も聞く前はそうで、「僕の音きれいでしょ」とばかりに音色を見せびらかすだけで、リズム感のない締まらない演奏を想像していた。しかし、これは意外によかった。「プレリュードとフーガ」は、リズムはギリギリのところで維持しながら、しばしば叙情的なところをみせ、時にはチャイコフスキーのように響かせる。「3つの幻想的舞曲」は初めて聞く曲だが、まるでショパンのようだ。リン・ハレルと組んだチェロ・ソナタはしみじみ聞かせ、フィッツウイリアムSQとの五重奏曲も、現代的な快演。これは、意外にもいい買物だった。ちなみに5枚組のうち、ソナタの1番、24の前奏曲、三重奏曲の2番を収めた4枚目だけは、アシュケナージではなく、ジルベルシュタイン、ムストネン、ボザール・トリオが演奏している。

Shostakovich: Piano Music - Chamber Works

Shostakovich: Piano Music - Chamber Works

  • アーティスト: Beaux Arts Trio,Dmitry Shostakovich,Vladimir Ashkenazy,Lilya Zilberstein,Olli Mustonen,Fitzwilliam Quartet
  • 出版社/メーカー: Decca
  • 発売日: 2006/06/13
  • メディア: CD
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