橋本健二の読書&音楽日記

日々の読書と音楽鑑賞の記録です。

社会学一般

東浩紀・北田暁大編『思想地図vol.5 社会の批評』

人気のシリーズ第5弾で、今回は社会学者が中心。私は「東京の政治学/社会学」と題して、原武史さん、北田暁大さんと対談しています。団地の政治的意味、東京内部の格差の動向などについて論じました。普通の選書2冊分のボリュームで、1400円。お買い得です…

千田有紀『女性学/男性学』

遠い昔の話だが、静岡大学教養部にいた頃、「女性学」の授業を担当していたことがある。女性学と題する授業科目が大学に置かれるようになって、さほどたっていない頃だったと思う。内容としては、ジェンダーの概念から始まって、家族、教育、労働、社会参加…

好井裕明『ゴジラ・モスラ・原水爆』

著者はエスノメソドロジー研究で知られる社会学者だが、映画にも関心をもっているようで、論文がいくつかある。本書は単行本として刊行されたものとしては、唯一の映画論である。 私もほぼ同世代だから、子どものころに怪獣映画に興奮した経験は共有している…

岩崎稔・上野千鶴子・北田暁大・小森陽一・成田龍一編著『戦後日本スタディーズ2 「60・70」年代』

大学院に入ったばかりの頃、「日本はこれでいいのか市民連合(日市連)」という団体で活動していたことがある。ベ平連に憧れていたので、その流れをくむ市民運動に参加したいと前から思っていたからだが、失望することが多かった。何より問題なのは、小田実を…

村瀬洋一・高田洋・廣瀬毅士編『SPSSによる多変量解析』

SPSSとは、Statistical Package fot Social Scienceの略で、統計ソフトの商品名。社会学ではスタンダードな存在で、利用者が多い。ところが、いい解説書が少ない。初歩的すぎて、すぐに役に立たなくなったり、逆に高度すぎて文化系人間には理解不能。心理学…

間庭充幸『若者犯罪の社会文化史』

著者は犯罪社会学者だが、いろいろな犯罪事例を取上げ、その時代の社会状況や時代精神と関わらせながら論じるという、やや評論めいた著作を書くのを得意とした。「アプレ人間」「管理社会」など、やや時代がかった用語が出てくるのは、この世代の社会学者し…