加藤佳一『一日乗車券で出かける東京バス散歩』

ふだん、あまりバスに乗ることがない。私鉄と地下鉄で用が足りているからだが、渋滞などあって時間が読みにくいというのも大きな理由である。しかし、東京の名所や施設を見物に出かけるのなら、いい乗り物だと思う。ただ、路線があまり頭に入っていないので、これまであまり使っていなかった。
本書は、三〇〇円から七〇〇円程度の一日乗車券を使って休日散歩を楽しむためのガイドブック。島嶼部も含めて、二四のコースが紹介されている。いろいろ、教えられる。こんな路線があったのか。この場所とこの場所が、バスでつながっているのか、など。いまどきの一日乗車券は、ＩＣカードに記録させることができるというのも、初めて知った。情報量は多いが、文章はさほど魅力的なものではなく、読み物として面白いというものではない(面白くしようという意図は感じられるが、空回りしがちだ)。あくまで、情報を得るための本だろう。

一日乗車券で出かける東京バス散歩 (新書y)